刑事裁判の役割

続いて刑事裁判ですが、民事裁判と違ってなかなか刑事事件で弁護士に依頼することは少ないといえます。というより、刑事事件に遭遇するということ自体、稀なケースといえるでしょう。

刑事事件で弁護士は、被疑者と面会することから始まります。弁護士は取り調べの状況を把握して、基本的に被疑者の権利についてまずは説明していきます。黙秘権や供述調書への署名拒否などをアドバイスします。今後の進め方などを伝えておかないと、勢いで署名してしまうケースが後を絶たないからです。
被疑者が完全に悪いと思われてる中で調書が作成されており、その中で検察官が読んでいる調書を拒否しなければなりませんので、かなりの労力を使うために最初に説明することが大切になります。

実際に起訴前の猶予は23日間しかなく、現実には被疑者は裁判所で3日間も勾留されているので実質20日間しかありません。その間に被疑者の面会を済まして、他の依頼人との案件を調整しながら、弁護の組み立てをしていかなくてはなりません。

刑事裁判の弁護士にとって、一番気が重くなるという被害者(遺族)との面会を行うので、非常にハードなスケジュールをこなすことになります。会ってくれない被害者もいることでしょう。入院している可能性もあります。
弁護士は被疑者に謝罪文を書いてもらい、被害者に対しては嘆願書の作成のお願いをしに行きますが、重罰に処したいと願いでる被害者や遺族がいる中で、基本的に気をよくされることはありません。